第五回長池講義 澤口講義レジュメ
2009/9/5 
澤口隆志(市民セクター政策機構理事長)


1 歴史から見た協同組合運動の性格

■協同組合とは何か
1995年 ICA(国際協同組合同盟)150周年記念マンチェスター大会「協同組合のアイデンティティ」宣言

〈協同組合の定義〉
 協同組合は、共同で所有し民主的に管理する事業体を通じ、共通の経済的・社会的・文化的ニーズと願いを満たすために自発的に手を結んだ人々の自治的な組織

〈協同組合の価値〉
 協同組合は、自助、自己責任、民主主義、平等、公平、そして連帯の価値を基礎とする。それぞれの創設者の伝統を受け継ぎ、協同組合の構成員は、誠実、公開、社会的責任、そして他人への配慮という倫理的価値を信条とする

■コミュニティへの貢献
  • カナダのブリティッシュ・コロンビア協同組合研究所のイアン・マクファーソン博士は、このICA大会で、新たに以下の第7原則を提起し、21世紀における協同組合の使命は、コミュニティへの貢献にあると、既存の協同組合の企業化傾向に警鐘を鳴らした。
  • 第7原則 コミュニティへの貢献
    協同組合は、組合員が同意する方針にしたがって、地元のコミュニティの持続可能な発展のために貢献する

■世界の協同組合の淵源
  • 英国・消費協同組合 1884年ロッチデール公正先駆者組合が設立
  • フランス・労働者協同組合
  • デンマーク・農業協同組合
  • ドイツ・金融協同組合

■日本の協同組合の黎明
消費組合は、生産階級と消費者が結びあい、社会的秩序と互助組織をつくり、それにより商業上の投機もなくなり、労働階級からの搾取もなくなると、賀川豊彦は確信した。そこで、大阪に購買組合共益社を、1921年には神戸購買組合、灘購買組合、1928年に中郷質庫信用組合を組織した。中郷は、スラムの人々が気楽に安い利息で品物を預け、金を借り、品物の権利がなくならないように、自分たちの手で質屋を経営した。中ノ郷信用組合として今日に至る。

■日本の協同組合づくりに関わった人々
片山潜:「都市社会主義」、消費組合設立提唱
賀川豊彦:日本の協同組合の「父」と呼ばれる
吉野作造:賀川の共益社とほぼ同時期に東京家庭購買組合設立。「産育会」設立にも参加
新渡戸稲造:賀川と共に「東京医療利用組合」現 中野総合病院の設立に参加
キリスト教社会主義や都市社会主義、大正デモクラシーの時代精神を背景に、都市政策的思想やウエッブ夫妻やG.DHコールの系譜が根底にあったが、戦後生協に引き継がれなかったのはなぜか?
 →生活クラブ運動の地域民主主義へ継承


2 日本の協同組合運動を阻む法的・社会的背景

■明治以来の、上からの「社会変革」志向
  • 日本では、与野党を問わず政界はもとより、財界、労働組合運動そして協同組合運動の主流さえも、中央の組織・権力の掌握と操作による上からの全体社会システムの変革、 即ちナショナルな「社会変革」を志向
  • 従って10年どころか百年一日の如くく「エスタブリッシュメント・国家・統治・フォーマル・多数派・男社会」が特徴
  • 官僚が政策決定過程の実質的主人公→霞が関の現実無視政策→地方自治体の判断回避、指示待ち→みんなで通れば怖くない体質→他人依存・オカミ依存型体質は、公的セクター、企業セクターのみならず協同組合やNPOセクターにも浸透→主権者の主権放棄体質助長

■現場を知らない政府政策転換が急がれる
  • 社会全体が、「官と営利民間」だけで社会は運営できると思っており、市民・自治・協同の発想は無い
  • 公的セクター、企業セクター、協同組合・市民セクター(Third Sector, Voluntary Community Sector)が互いの得意・不得意、政策・制度的不都合の所在を理解し合い、相互にカウンターパートナーとして協同し、地域を再生する、という発想に立つことがない
  • 協同組合やNPOの側も、自力で、地域生活課題の問題解決力を実力で示し、政府・政党・自治体に3つのセクターのダイナミックな関係性こそが、既存の経済成長路線ではなく地球環境との共生型・循環型の経済・社会をつくっていくためには不可欠であり、有効であることを理解させるため、連携して努力する必要がある。

■時代遅れの日本の協同組合法制
日本では「官民」というように政府・自治体の公的セクターと営利企業の私的セクターだけが主流であり、協同組合は会社企業の「亜流」視
日本の協同組合法制は、人々や地域が持つ社会関係資源(人・金・モノ・情報・時間・労力・経験・技術・知恵など)を最大限に活かして、市民が自治的に問題を解決し、地域を豊かにするための社会的手段として協同組合を位置づけ、これを促進する世界的な潮流とは大きくかけ離れた時代遅れの協同組合法制
協同組合と共済分離、税制の見直しの動き加速

■日本の生協の主力はどこに行くのか?
  1. 巨大スーパーとの競争に向け2004年「日生協2010年ビジョン」大規模合併方針→生協法改定の基底→630生協→現在500生協
  2. 2005年日生協「日本の農業に関する提言」・「食生活に関わる問題提起」を発表。農産物輸入に対する日本の関税率の高さは消費者の生活を厳しくする、として政府の農産物市場の開放推進に賛成の姿勢を明らかにした=農協との協同組合間提携の放棄
  3. 一気に中国など海外に製造拠点を移し、国内での低価格路線・価格破壊競争路線に突入する体制を整えた
  4. 日生協の商品政策の基本は「徹底した低価格商品の開発」へ →ミート・ホープ事件に帰着
  5. 急速に海外に原料調達・製造・加工拠点を移し、他者に食のコントロールを委ねた結果→中国製毒入りギョーザ事件に帰着
  6. 日本の生協の主力は長年にわたり築いた「食の安心・安全は生協」の信頼を自ら地に貶めた

3 生活クラブ運動の発展

■世界が評価する生活クラブ運動
  • 1989年、「社会と環境に寄与し、新しい経済の仕組み、民主的な経営参加、たすけあいのしくみづくり、共感を呼ぶ運動、そして普通の主婦を主体とする運動に貢献する活動」に対し「もう一つのノーベル賞」といわれる「ライトライブリーフッド賞」の名誉賞を受賞。
  • 1995年、国連設立50周年を記念し、50の模範となるコミュニティの一つとして「環境保護と持続可能な発展の部門に関する活動における成功」に対し、国連50のコミュニティ賞」を受賞。

■下からの「生活改革」派の現代的典型
  • 生活クラブ運動に集った人々は、課題や問題が起こっているその生活の場、地域において、それらに向き合い、自らの暮らしのあり方を変え、自ら問題解決の実践モデルを示すことにより、地域を変え、社会を変えてきた
  • 「非エスタブリッシュメント・地域・自治・インフォーマル・少数派・女性」が特徴
  • それは、上からの「社会変革」派に対する下からの「オルタナティブ」即ちもう一つの経済・社会・政治のあり方の提案と実践
     →新自由主義的政治・経済が破たんした今こそ社会に広げる必要

■生活クラブのそもそもとは?
  • 1965年、約200人の女性たちによって、自分たちの生活を変え、地域を豊かにし、社会を変えてゆくための任意組織(ボランタリー・アソシエーション)としての「生活クラブ」が東京の世田谷区で始まった。当時は「生協」という存在も知らなかったという。
  • 運動を発展させ、継続的な事業を行ない目的を実現するために、民主的運営と経営の両立を可能にする法人組織として、1968年に消費生活協同組合を設立し、生活クラブ生協(東京)となった。

■世田谷生活クラブ 趣意書
私たちの集まりは、世田谷区に住む女性の自立的で民主的な集団として、1965年6月に世田谷区の小田急線沿線で生まれた世田谷生活クラブと申します。
クラブの活動目的は、別紙規約のとおり〜中略〜女性の主体的な力で私たちの生活を改革し、社会の進歩のための活動に積極的に参加しようというのです。

■世田谷生活クラブ 規約
  • 目的:本会は私たちの生活を改革し豊かにするための研究会、勉強会、生活物資の共同購入とその他会員の親睦をはかるための活動をします。
  • 組織:上記目的を支持する女性は本会に入会することができます。
  • 会員は一般会員、賛助会員に分かれ、一般会員は会の運営に参加し、会の行う事業の受益者となることができ、賛助会員は性別にかかわりなく、会の経済的その他の協力者とします。

■当時の社会的背景―公害の多発
  • 1955年:森永ヒ素ミルク事件
  • 1955年:イタイイタイ病
  • 1956年:水俣病
  • 1965年:新潟水俣病
  • 1967年:四日市ぜんそく提訴
  • 1968年:カネミ油症事件
●生命・生活価値を軽視し産業・商品価値優先の社会の歪みが蔓延していた。今は?

■生き方を変え、生活を変え、地域と社会を変える運動のデビュー
こんな時代状況を背景に設立された生活クラブは、発足当初から、物資の共同購入だけを目的として結成されたのではなかった。
女性市民のまっすぐな感性と知性と活力によって、社会の歪みや生命軽視の誤りを正し、本当に豊かな生活と地域と社会を、つくり、変えていく運動としてスタートした。


4 生活クラブ生協は何を目指してきたか

■生活クラブの女性たちが解決しようとしてきたことって?
  • 食の不安のこと
  • 化学物質が蔓延していくことへの不安
  • 環境の悪化のこと
  • 遺伝子組換え・種の独占の広がりへの不安
  • 農や森や海の荒廃とそれを守ってきた業と人の衰退と高齢化のこと
  • 高齢化社会のこと
  • 子育てのこと
  • 放射能汚染のこと

■なぜ共同購入と協同組合なのか?
  • 独りで悩み、あきらず、暮らしの中の課題に、その都度、一つひとつ向き合い、実践により、言わば「問題解決」を「共同購入」してきた
  • 出資者(組合員)全員が、一人一票の対等の関係で民主的に、何を、どの様に、解決していくのかを決め、実現する過程に参加できる「協同組合」の長所を最大限に活かしてきた
  • コープ商品は一切取り扱わない。初期の頃はコープ商品もあったが、石油ショック時に物が来ない現実を知り、生産者との直接連帯へ

■「生産する消費者」運動
生産原価保障方式
生産に必要なコストなどのリスクを消費する側が生産者と共に負う
主要品目価格は、組合員・生産者双方で、品質や生産方法、容器・包材、保管方法や流通手段、配送などすべての情報を互いに公開して話し合い、相互に納得・合意できる形で最後に決定する
スーパーや生協の主流では、「売買価格ありき」で、再生産コストはほとんど考慮されない
  ⇒原料や産地の偽装の温床を生んでいる。
※原材料費1円〜2円でないとできない中国製 ギョーザ1個あたり店頭価格10円の値段=生産者たたき!

■なぜ生活クラブは巨大スーパー・巨大生協ができないことを実現できているのか?!
  1. 一般生協の共同購入アイテム数は約1万以上が普通。
  2. 一般生協・スーパー店舗は2万アイテム以上の「品揃え」。メガ・スーパー10万アイテムというデータもある
  3. このアイテム数で、海外に製造拠点を置き「出口検査」で食の安全を確保することは困難
  4. 生活クラブ=組合員が自分で必要な消費材を決める。
    一般巨大生協・巨大スーパーは、バイヤーが「売れ筋」を狙い、多品種・少量生産と短期間での商品回転を商品政策の基本とする
  5. したがって、原料のNON-GM対策やトレーサビリティーの徹底をしたくてもできないのが一般巨大スーパー・生協の実態

■組合員が参加し決定するから年間を通して扱う消費材は約1600品目
  1. 今、年間を通して扱っている消費材は約1,600品目
  2. 生活の必要度が高く、健康や環境や安全の問題を解決できる本当に必要なものを組合員組織が参画し開発した「100%オリジナル消費材」
  3. 消費材規格仕様は100%情報開示。全て製造過程の「入口」での相互管理の徹底が基本
  4. 消費材を開発・生産・利用することにより大量生産・大量消費・ 大量廃棄の社会ではない「もうひとつの生活のあり方」=まちづくりのモデルを実践・提案してきました。

■食の不安を解決する食の自治の第1歩
  • 1972年:Sマーク消費材第1号
 マルモ青木味噌誕生:本来の、大豆と米と塩だけを原料に、酵母菌の発酵にまかせ、時間をかけて熟成を待つ発酵食品である味噌を、生産者と協同して、開発し、生産し、供給し、食べ続けることによって、「化学物質の産物である速醸味噌」を不買し、まち=市場を変えていく食の自治の運動の第一歩踏み出した。

■生協で唯一の自前の牛乳工場
  1. 30年前、生活クラブは生協として唯一、生産者と共同出資の自前の牛乳工場を設立。今3つの牛乳工場を経営している
  2. 地域から逃げず、生産者とともに生き、国産自給を高める運動であり続ける生活クラブ運動のシンボル
  3. こうして100の提携酪農家、5,000頭の乳牛と共に生きてきた
  4. 厳しい安全基準で品質の高い原料乳を確保し、約1900万本のパスチャライズド牛乳を生産・飲用している

■多国籍企業の種の独占に対して国産種の開発と維持に力点
 食料自給力再生に不可欠の要因の国産種の維持に最も大きな力を注いできた
  1. 日本の気候風土にあった国産鶏種(鶏肉用・採卵用)
  2. 豚種(LDB三元豚・L:ランドレース D:デュロック、B:バークシャー)国内120頭に1頭を生産
  3. 日本在来牛や畜酪兼用牛種などの開発と維持
  4. 国産なたね油の生産基盤の再生

■米の年間予約登録活動
  1. 年で約16万俵(6産地、無農薬実験米や環境保全型農薬低減米)取組
  2. 山形県遊佐町・JA庄内みどり共同開発米(農薬八成分以下)10万俵の実現
  3. 遊佐町10万俵のうち6万俵は、組合員が年間予約登録を行う
  4. 日本では6月末期末小売在庫数が翌年の作付け面積決定の指標の一つとなります。それを都会の消費者が学び、理解し、年間予約登録を行うようにメンバーに呼びかけてきた
  5. 次年度以降の減農薬や無農薬米、飼料用米作りなど、食の未来を拓く新たな産消協同につながってきた

■飼料米と米育ち豚による自給力再生
  1. 2004年に飼料米プロジェクトをスタート。誰も注目せず!
  2. 輸入飼料に依存しない畜産・酪農の再生をめざす飼料米生産と養豚給餌への生産者と組合員の挑戦。山形大学も協力
  3. 日本の食料自給率は40%(カロリーベース・2007年度)、穀物自給率は畜産飼料も含めれば25%で先進国中最低
  4. 全国470万haの農地のうち遊休農地は約40万ha。遊休農地に飼料米をつくり、輸入飼料を減らして豚や鶏の国産飼料にすれば、5%以上の自給率の向上につながる
  5. 2008年度、約320haの飼料米生産に広がる
  6. 政府が補助金を出すことを決定。消費者と生産者の連帯が日本の農政と食料安全保障政策を動かしつつある

■国産なたね再生と国産なたね油の普及(油糧原料の自給向上)
  1. 生活クラブは、1991年青森県横浜町と共に、東北農事試験場が開発したエルシン酸を含まない「国産キザキノナタネ」の作付けと取り組み契約を行い、1992年に国産なたね油の取り組みを開始
  2. 食べ続ける力によって、青森県、北海道に国産なたねの生産基盤を形成
  3. 以来16年、2007年度実績で、全国の国産なたね全生産量900トンの65%に当たる合計581トンを契約栽培している
  4. かって26万haあった国産なたね生産は、16年前476ヘクタールまで減ったが、今、ようやく約1000ヘクタールまで回復した

■農の荒廃と高齢化の解決に向け生産への労働参画
  1. 生活クラブ組合員は、加工用トマトの植え付けや収穫作業に計画的に労働参加してきた
  2. さらに、08年度から、消費する側が生産現場に参加し継続的な生産システムを作り、生産者の高齢化の問題を解決し、社会を再構成するために、生産への労働参画を社会化するための活動を開始
  3. 季節ごとの農作業に計画的に参画する人を都市部で募り、産消連帯で「まち」と「むら」を行き交う新たなライフスタイルをめざしている

■遺伝子組み換え食品・作物の不使用
  1. 生活クラブは、1997年1月に「遺伝子組み換え(GM:genetically modified)作物・食品は取り扱わないことを基本とする」「やむを得ず使用する場合は、情報を公開して取り組む」と決定した
  2. 提携生産者と協力し、すべての消費材を見直し、遺伝子組み換え食品・飼料・添加物などを取り除く努力を進めてきた
  3. 現在、主原料対策はすべて完了し、1%以上〜5%未満使用の原材料に対策が必要な10品目と、微量原材料には課題が残っていますが、これほど高いレベル且つ大半の食品においてNON-GM対策を実現しているのは世界的にも類例はないといえる
  4. 「生活クラブは、“radical” で“unique”な運動」欧州の評価―「根本的な解決をめざす」「類例のない」運動、という意味

■食品表示制度改正による遺伝子組み換え食品・作物の不買運動の実現こそ急務
  1. 他の生協や消費者組織と連携し日本のGMイネ開発実験を阻止。全国規模でのGMナタネ分布調査、農業生産者とのGMフリーゾーン運動
  2. 米国産トウモロコシ・大豆の90%がGMとなり、豪州のNON-GM菜種も生産継続が危うい
  3. 食品表示は読んでも実態がまったくわからない。消費者は輸入原料を食べているとは思っていない →無責任な消費助長。消費者主権なし
  4. NON-GM飼料の調達や国産飼料・油糧原料の増産の必要について政府や政党の理解を高めるのが課題

■「安全・健康・環境」自主管理監査制度
  1. 生活クラブ原則に基づき、生産者と組合員によって組織される自主管理委員会のメンバーが、農業・漁業・畜産・加工食品・生活用品・包装材など分野ごとに部会をつくり、自主基準を定めている。
  2. 消費材1600品目のうち、約85%に当たる1349品目(農産物192、漁業274、畜産78、加工食品748、生活用品57)が、原材料の入手過程や加工工程など、全ての消費材規格情報開示はもちろん、さらに高いレベルでの自主基準達成をめざす= 「消費材の自主規準登録」を行っている
  3. これは生産者がいつでも組合員の「おおぜいの監査」を受け容れるということ。民主的監査モデル


5 ワーカーズコレクティブとオルタナティブな労働・経済・コミュニティ

■イアン・マクファーソン博士の言葉
私がまず声を大にして言いたいことは、あなた方が、労働の問題をコミュニティに対する課題として再び中央に据えたこと、家庭外の女性の雇用のような社会的問題を発信する方法を模索していること〜中略〜日本における地域コミュニティや近隣地域に対する問題に取り組んでいることを、褒め称えたいということです。これは〜中略〜記憶されるべき価値ある協同組合運動です。

■共同購入とワーカーズコレクティブ
  1. その解決の方法は共同購入による「オルタナティブな経済」すなわち「生産−流通−消費−再利用・自然還流」の仕組みのモデル実践
  2. もう一つの解決方法の柱こそワーカーズ・コレクティブという「もう一つの働き方」と市民事業の起業によって、地域課題・生活課題の解決を進め、地域の市民に自らの「Work」参加によって、自らのコミュニティの質と形は変えられるのであり、より良く創り直していけることを実践し、実証してみせたことだ

■CommunityとWorkはコインの裏表
生産と消費はコインの裏表であることを生活クラブの「生産する消費者」運動は実証して見せた。
近代はワークを「労働条件」という雇用・被雇用という狭い概念の檻に閉じ込めてしまった。
ワークの形や多様さ、豊かさが、コミュニティの豊かさや形を決める。コミュニティとワークもまたコインの裏表であることをワーコレが想起させた
  • 生活クラブとワーカーズ・コレクティブの女性市民は、ワークにコミュニティにおける市民事業としての実態を与え、過去の呪縛から解き放った。

■まちづくり生協として
  • 2004年にできたセンター南デポーは「子どもたちが安心して暮らせるまちをつくりたい」をテーマに仲間を増やし、半径1劼農蘓佑離妊檗爾砲覆辰
  • 「困った時はデポーへ行こう」
     がデポーの合言葉。それもデポーは組合員の運営委員会と地域の生活者市民であるワーカーズ・コレクティブ・メンバーが自主・自立をもとに運営しているから。だから、地域の生活情報や解決手段のチャンネルがいつもたくさん見つかるから

■参加型福祉のまちづくりの担い手
80年代、まだ政府が生協に福祉事業運営を認可していない時から、生活クラブはW.Coと共に、自力でデイケアセンター事業を始め、また 3億円の出資金で土地を寄付し、3年間の1億円カンパ活動で、生協で初めて社会福祉法人を設立し、協同組合が日本において社会福祉事業の重要な担い手となる道を切り拓いた

■コミュニティケア―の実践者地域でたすけあいながら暮らす
  1. 高齢者、障がい者、子どもなど地域の仲間どうしが助け合い暮らすため、たすけあいワーカーズ・コレクティブ、デイケアサービスセンター、社会福祉法人などを生み出した。
  2. 生活クラブ・W.Co関連の福祉事業所は全国に544ヵ所。2006年度実績:会員数11,744人、利用者数44,869人、総事業高83億円。日本最大規模。

■ワーカーズ・コレクティブ運動―日本の社会的経済の基盤を成してきた先駆者
  1. 27年前、企業で雇われるのではなく、自分たちで出資し、運営し、働き、地域を豊かにするために、協同組合方式の新しい働き方、ワーカーズ・コレクティブが生まれた
  2. 仕出し弁当、パンなどの食品製造、高齢者ケア、保育、リサイクル、編集、消費材の仕分けや配送など、758団体、約17,000人、総事業高約120億円(2006年度実績)
  3. しかし、未だにワーカーズ協同組合は法的に認められていない。これは社会にとって大きな損失だ

■合成洗剤追放直接請求運動
  1. 1970年頃から、河川や湖沼の汚染が進み、琵琶湖では、富栄養化による赤潮発生、地域の飲み水がカビ臭く。汚染原因は生活排水、特に合成洗剤の垂れ流しと指摘され、市民運動により、79年「琵琶湖富栄養化防止条例」が施行された
  2. 河川の水質汚染を危惧する人々は「琵琶湖に続け」と、神奈川で合成洗剤追放の条例制定直接請求運動、千葉で手賀沼をめぐる地域での直接請求運動と、水環境保全運動を展開したが、運動を成功させるには力不足。請求は否決、より広範な市民の理解の必要を痛感、石けんキャラバン等の運動を展開した
  3. 1976年生活クラブ長野は諏訪湖浄化を掲げ、設立

■せっけん運動からせっけん工場へ
  1. 「合成洗剤の使用を止めて、せっけんを使いましょう!」「人体への影響、河川や海などの自然環境を守りましょう」
  2. せっけん運動は、生活クラブの原点となった運動の一つだ
  3. せっけん運動を通して、私たちは、環境汚染の被害者であると同時に加害者でもあることに気づき、自身のライフスタイルを変えようとしてきた。廃食油からリサイクル石けんを作る工場を設立し運動を広げてきた

■ダイオキシン松葉調査
松葉を使った市民によるダイオキシン調査活動を全国に広めたのは生活クラブです。所沢市で高濃度ダイオキシンが検出されて大きな社会問題になった90年代まで、行政による大気中のダイオキシン調査は一切実施されていなかった。
つまり、生活クラブの組合員が調査を始めるまで、地域の安全を確かめる信頼できるデータは存在していなかったのだ。

■ダイオキシン松葉調査2
1999年、松葉を使った市民によるダイオキシン調査を初めて全国規模で実施し、翌2000年には、ダイオキシン類対策特別措置法が施行され、日本の焼却施設の排ガス規制がスタートしたのです。

■3R(リデュース・リユース・リサイクル)とグリーンシステム
  1. できるかぎりゴミを出さないことで環境負荷を減らし、循環型社会をつくるために、1994年から、使用容器をリターナブル容器(回収してリユース可能な容器)に切り換える取り組みを他生協にも呼びかけて始めました。
  2. これが「グリーンシステム」
  3. 8種類のリターナブルびんを使用し、2007年実績で5,690トンのビンを回収(2,121トンのCO2削減に匹敵)。

■オルタナティブ・エネルギー開発
  1. 生活クラブ北海道は、泊原子力発電所反対運動を行う中で、より根本的な解決を求め、エネルギー消費の抑制と自然エネルギーの拡大を方針としました。
  2. 2000年1月、特定非営利活動法人「北海道グリーンファンド(HGF)」設立。月々の電気料金に5%を加えた額を支払い、自然エネルギーによる「市民共同発電所」の建設基金の積立て開始。これを「グリーン電気料金制度」として推進し、市民風車(風力による市民共同発電所)を道内で4基建設しています。

■ネットワーク運動市民による地域からの政治改革
  1. 1970年代、生活クラブの組合員は、合成洗剤を追放し、せっけんを使う運動を進める中で、市民の声を政治に反映させるには政治への参加と改革が必要であることを痛感した。
  2. 市民自治を行なうため、市民が地域から政治を改革する政治団体「ネットワーク運動」を自治体ごとに結成し、自治体議会に「市民の代理人」として議員を送ることを活動の軸とした。
  3. 2006年度実績で地域ネット120団体、会員総数約1万人、議員数141人。日本最大の女性市民の政治的イニシア

■生活クラブの実践を社会化する時
  • ようやく、日本にはフツーの生協以外に、どうも「生活クラブというのがあるらしい」ということが知られてきたようだ
  • 生活クラブがこの40年間、実践してきたことの意義がようやく社会の側にも明らかになってきたようだ
  • 「食」「環境」「福祉」問題を解決する先行モデルとして、ようやく、社会的評価が高まっているようだ
  • 生活クラブの経験や実践モデルを社会のしくみ化し、一般化する努力が必要


6 海外の協同組合運動が展開するさまざまなチャレンジ

■欧州・北米の協同組合の新たな挑戦
生活クラブ誕生と同時期の60年代後半、女性の社会進出が進み、子育て、介護を「家庭の仕事」から「社会の仕事」に変える社会改革・制度改革を行う
70年代末以来の不況による福祉国家の揺らぎを期に、ハンディキャプト、高齢者、子ども、移民、ドロップアウト層、失業者など社会的排除に遭う「不利な立場の人々」との共生をめざす、1991年のイタリア「社会協同組合法」に始まる公益の実現を目的とする新たな協同組合へ踏み出した=不利な立場の人々の主体参加を目的
その主体は〜塙膂協同組合のサービスや事業の利用者ボランティア参加者ぜ治体ザ力する意志ある個人・法人、と地域に開かれた協同組合であることが特徴=マルチステークホルダー型協同組合

■世界的な非営利・協同セクターへの注目の背景
  • 新自由主義的市場経済至上主義の破綻により、貧困、失業、社会的排除、福祉、介護、医療、教育、保育、農林漁業、自然環境保全など、市場の論理や貨幣価値だけに完全に置き換えることができず、たすけあいや協同に支えられる面が不可避であり、誰にでも必要な 「生活価値」を実現する「事業」や「社会のしくみ」をつくることが、世界中で急務となっている
  • 画一的な公的セクター(政府・自治体)や利潤追求を優先せざるを得ない株式会社などの営利セクターだけでは、地域再生・社会再生の事業づくりは困難なことは欧米では常識
  • 「第3のセクター」としての協同組合・NPOなど非営利・協同セクターの役割(人々がたすけあうこと)が地域や社会の再建に不可欠であることが、一層クローズアップされている
  • 利潤より共生や労働の目的を優先する「社会的経済」、その担い手の協同組合・NPOが「社会的企業」として注目されている

■社会的経済・社会的企業とは
  • 全体として、次のような運営原則と規則に基づいて行われる集団的起業から生み出される活動や団体
  1. 社会的経済企業の最終目的は、単に利潤と金銭上の採算性を追求するだけでなく、組合員・市民または集団の役に立つことであること
  2. 経営が国家から独立していること
  3. 定款と活動のあり方に、利用者と労働者の参加による民主的な決定手続きを取り入れていること
  4. 剰余や所得を分配する際に、資本よりも人間と労働を優先すること
  5. 個人や集団の参加と自律、責任を活動基盤とすること

■協同組合推進は世界的潮流1
  • 国連は、第56回総会の第三委員会で2001年12月に以下の様に、「社会開発における協同組合」を決議
  • 「様々な形の協同組合が、女性や若年者、高齢者、障害者等あらゆる人々による経済・社会開発への最大限可能な参加を促進し、また経済・社会開発における主要な要素になりつつあることを認識すべきである。そして、協同組合にとって支援的な環境を確保し、協同組合の目標達成の助けとなるようその可能性を保護・促進する観点から、協同組合の活動に適用される法制上また行政上の規定の継続的な見直しを各国政府に奨励すべきである」とした

■協同組合推進は世界的潮流2
  • ILO(国際労働機関)は、ICAの定義を受けて、第90回総会で2002年6月に「協同組合の促進に関する勧告」を採択し、以下のように、対策を講じるよう加盟国に呼びかけている
  • 協同組合は、「共同で所有され、かつ、民主的に管理される企業を通して、共通の経済的、社会的及び文化的ニーズ及び願いを満たすために自発的に結合された自主的な人々の団体」と定義し、雇用創出、資源動員、投資創出、経済寄与における協同組合の重要性、協同組合が人々の経済・社会開発への参加を推進すること、グローバル化が協同組合に新しい圧力、問題、課題、機会をもたらしたことを認識し、協同組合を促進する措置を講じる、ことを勧告している

■協同組合推進は世界的潮流3
  • 公共サービスの担い手としての新たな協同組合のあり方が各国で政策的に続々と登場
  • 新たなサービスや労働や雇用を生み出すことを通して、ハンディキャプトや排除を受ける人々との共生を目的とする協同組合の創出である
    イタリアの「社会協同組合」
    フランスの「公益的協同組合」
    カナダ・ケベック州の「連帯協同組合」
    カナダ・ブリティッシュコロンビア州の「コミュニティサービス協同組合」

■イタリアの社会協同組合1
北部イタリアの社会協同組合ホテル「トリトン」
社会協同組合が経営する、精神に障害のあるひとたちによって、運営されるホテル。数キロ先に行くと、ユーゴとの国境にある、有名な保養地にある。行楽期はとても忙しくなるそうだ。

■イタリアの社会協同組合2
とても清潔でアットホームな感じであるが、部屋数が、15程度なので、「役所規準」「一つ星」しかならないが、この地域の市民社会が存在を高く誇っているため、交通標識には、堂々、他の三ツ星とならんでいる
朝、朝食を用意していった若者が、治療に出かけていった。「治療」と「職場」の移動がとても自然なのが印象的だった。

■トリエステ「バザーリア合同労働者」社会協同組合
「ランドリエ」は、障害者の人たちが働く、クリーニング店。病院や役所の公的需要が多いそうであり、それが経営を支えているようだ。こうした、職場の経営指導や行政との対応、資金調達に「中間支援」組織として「バザーリア」が対応している

■社会協同組合「野いちご」
  • このレストランは、トリエステの社会的協同組合が経営するレストラン
  • 場所は、山の上の解体された精神病院跡の中で、運営されている
  • 「野いちご」は、人々がつながって生きることを表現している

■米国は協同組合大国って知ってた?
●米国の協同組合=1億3000万人が参加〔2005年度)、全米2万1367の協同組合と連合会
  • 協同組合銀行、電力協同組合、保育・ペアレンツ協同組合、住宅協同組合、信用協同組合(米国海軍信用金庫など)、農業協同組合(サンキストなど)、消費協同組合、フードコープ、テレコミュニケーション協同組合など
  • 50万人の雇用、1兆5千億円の給与、23兆円の事業高
  • NCBA (National Co-operative Business Association) によって90年前形成。70人のスタッフを擁しロビー活動
  • オバマ政権にはNCBA人脈が参加することができ、政府とも良好な関係を築いていける見通しと断言する

■ベンジャミン・フランクリンが協同組合を?
First Successful U.S. Cooperative
Benjamin Franklin
The Philadelphia Contributionship for the Insurance of Houses from Loss by Fire Founded in 1752
Still exists

■3人から協同組合が創れる自治型社会!
  • フィンランド・スウェーデンの各協同組合法、カナダ連邦協同組合法、東海岸のケベック州協同組合法、西海岸のブリティッシュコロンビア州協同組合法でも、従来からたった5人だった協同組合設立に必要な人数の規準が、より使い勝手良く「3人集まればどんな協同組合でも設立できる法制度」へと改善された。
  • 世界でも最も先端をいく協同組合法の一つといわれるフィンランド協同組合法(03年12月発行版)の「第2章 協同組合の設立および定款」には、「協同組合は3人以上の自然人、団体、財団およびその他の法人によって設立することができる。発起人は協同組合の組合員となる」とあり、小規模協同組合設立を推進している

■協同組合先進国スエーデン
  • 北部エステルスンドの「父母協同組合協同組合保育所」は1985年設立
  • スエーデンの社会協同組合の先駆的事例。地方の過疎化のため親たちが自ら保育所設立
  • もちろんハンディある子も含め1歳から6歳まで25人預かれる
  • スタッフ3名、父母たちがボランティア参加。保育費用は収入に応じで決まる。スタッフ人件費は自治体負担。施設賃借料は組合

■高齢者ホーム住宅協同組合
  • 1966年、市が保証人で、ショートステイ含め建物は協同組合が建設
  • 組合員が高齢者ら50人、出資金7500円ぐらい、家賃6万円(自治体が出す補助金も含む)
  • 13人のスタッフが昼夜のケアに当たる。コミューン(自治体)がスタッフは雇用する

■発展協同組合(Bod Jobygdens)
  • ボドシェ地区の村で、98年協同組合振興機関(CDA)支援し初めて村が始めた協同組合。地域の人口が少ないため15村協同運営
  • 全180戸の家族450人で組織、100人は高齢者
  • 保育所・高齢者施設・公民館活動。行政機能も市から委託され、コミューンからの保障も毎週金曜集まり料理をし、交流し、年4回ダンスパーティーはみんなの楽しみな行事となっている

■カナダ・ケベック州:協同組合住宅エスカリエ(Coopérative d'habitation, l'Escalier)
  • 高速道路建設にともない立ち退きを要求された住民が1976年に結成した「サン-ジャン-バティスト人民委員会 Le Comité populaire Saint-Jean-Baptiste」は、古い建物をリフォームして人間的な規模の協同組合住宅を建設したり、地域に小さな公園を作ったり、倒産した安い古着屋を再開することで、サン-ジャン-バティスト通りの人間味のある街並みや人間関係を維持し、ケベック市の再開発事業に反対する活動を続けている。
  • 会住宅(81戸)を建設する計画を立案。連帯経済金庫の支援を受けながら、2年間にわたる開発業者との闘いの末に計画を実現した。

■協同組合ボルデ−メデューズ(Bordée-Méduse):都市再活性化のモデルプロジェクト
ケベック市のサン-ロック Saint-Roch地区は、アーティスト協同組合メデューズとボルデ劇場を中心として再開発された。同時に、周辺のアーティストのアトリエ、大学校舎も改築。
このサン-ロック地区の再開発・再活性化は、文化を起動力とした成功例として世界的に知られている。

■食料品店タンドル・ヴェール(Tendre Vert, épicerie)
協同組合タンドル・ヴェール[柔らかい緑の意]は、レヴィ市旧市街地で20世紀初めに営業していた食料品店を再開。社会的責任と環境を標榜した民主的で自立的、平等、自由な経営を実施。商品はすべて環境に配慮した地場産の有機食品。包装や食品の輸送距離(フードマイレージ)を減らす努力も。
組合員数:630人。

■アコードリ・ネット(Le Réseau Accorderie)
  • 「1時間=1時間」を原則として、住民が自分にできることを交換するサービス交換協同組合。
  • ケベック市で2002年に設立。現在トロワ-リヴィエール市とモントリオール市で活動。組合員数:約400人
  • 別の地域のアコードリとも「社会通貨」を介して交換可能。

■ギュイエンヌ温室協同組合(Les Serres coopératives de Guyenne)
1980年にアビティビ市で設立。
協同組合で温室を廃校になった小学校の校舎をリフォームしたコミュニティ・センターに建設。
組合員数:90人
1998年に農業経営が破綻。300カナダドルの債務。
その後、温室栽培が軌道に乗って、農繁期には臨時作業員250人を雇用。2006年に純収益50万カナダドルを達成。

■コスタリカの若者への連帯支援(Soutien solidaire de jeunes au Costa Rica)
コスタリカの自主管理協同組合スラ・バツは、ラテン・アメリカとカリブ海を中心とする地域で、住民の職業訓練、協同組合設立支援を行っている。
2005年5月、事務所を引っ越したばかりの同組合が空き巣に遭いコンピュータなど事務用品を盗まれたが、保険に加入する前で、仕事ができずに困っていた。
そこで、連帯経済金庫が無利子で融資。活動再開できた。

■ビール協同組合
  • ケベック州の中で収穫される原料のみを使い、数百種類のビールを生産し、人気の協同組合
  • 約2年間の研修期間を経て、出資金60万円とケベックでは非常に高額の出資をして、参加する
  • コミュニティ・ディベロップメント・センター(CDS)と共同で、ある銘柄のビールを飲むとその価格の中から25セントがCDSのコミュニティ振興基金に寄付される。
  • 「酔っ払いも地域貢献できる」とても楽しい地域再生と社会経済の進め方だ

■葬儀協同組合
生前から組合員になって遺族に負担をかけない最期の終わり方を選ぶ
でも、亡くなってから家族の意志でも加入することもできるそうで、固いことは言わないゆるやかな協同組合でした

■労働協同組合(La coopérative du travail)
労働者が所有
労働者に仕事を提供することが目的
労働条件や労働環境の管理も
組合員資格は、その協同組合に雇用されることによって生じる
事業体の労働者を組合員か準組合員の資格でまとめる
森林整備、林業・製材、救急隊員、コンサルタント・サービス、社会福祉サービス、工業一般の各業種に見られる


7 株式会社の特徴と協同組合の可能性

■株式会社の得意・不得意
  • 得意:世界中の不特定多数から、スピーディーに資金を調達し、優秀な経営組織で、短期間に事業を立ち上げ、大きな利潤を上げ、株主に多くの利益を分配すること
  • 不得意:ある特定の地域の人々の生活の根幹に関わる課題を、地域固有の「社会的関係資源(人・経験・知恵・労力・金・モノ・情報・時間など)」に依拠して、ある一定レベルの解決を、一定レベルまでのコストで継続して解決し続け、シビルミニマム(市民生活最低基準)を支え続けること=地域再生

■協同組合の特徴と得意と不都合
  • 「出資・利用(労働・生産)・運営」を三位一体でメンバーが担う⇔出資者、経営者、利用者が別で分業が可能な株式会社の対極。スピード経営は不向き。協同組合と会社がカウンターパートナーとして連携するセクターバランスのとれた社会が理想
  • 得意:すぐに多額の利益を得られなくても、その事業やサービスや地域ニーズの必要性に合意する人々が、出資し、メンバーの持つ社会的関係資源(人、時間、知恵、経験、金、モノ、労力など)を出し合い(参加)、収支均衡を維持しつつ、参加者を増やし、求める価値や共通利益を生み出すこと。地域再生は得意
  • ケベック州協同組合法は第珪蓮↓絃呂法峅饉劼ら協同組合への改組による継続」を16条に渡り定める。条件不利地域含め、地域になくてはならないライフラインや店舗が立ち行かなくなった場合等、地域の人々が資金、労力、時間、施設、知恵、経験、技能、技術を出し合って、協同組合形式で事業を存続させ、コミュニティを自治型で運営するのだ→今後日本に不可欠の制度

■市民の問題解決の道具としての非営利協同セクターを育成するための政策・制度が必要
  1. まずは、協同組合を規制する動きを見直すこと
  2. 協同組合をはじめとする非営利協同セクターに関する縦割り行政を見直し、その育成・支援のための統一した方針・計画の策定及び統一窓口の設置
  3. 地域再生事業や第1次産業への、協同組合や事業型NPOなどの参入促進政策
  4. 地域貢献を目的に、出資し合い、協同で経営し、共に働く、ワーカーズ協同組合の法制化の推進
  5. 市民の「意志ある預金・出資」を活かす社会的金融の仕組みを推進する政策・制度
  6. 3人からどんな協同組合もできる統一協同組合法制定


澤口隆志 自己紹介

1953年:宮城県仙台市生まれ
1972年:宮城県工業高校機械科卒
1983年:中央大学大学院法学研究科政治学専攻修士課程終了(地域政治論)
1985年:生活クラブ生協・神奈川中途採用。その後、横浜北部ブロック事務局長、横浜南部ブロック事務局長、川崎生活クラブ生協参事
1993年:英国 London South Bank University 大学院留学
1996年:総務部長、住まい事業・株式会社オルタスクエアを設立、常務取締役
1997年:生活クラブ生協・神奈川常勤理事、横浜西部生活クラブ生協参事
2001年:政策調整部長、5地域生協法人独立化の対神奈川県交渉担当
2003年:県央生活クラブ生協参事
2004年:さがみ生活クラブ生協専務理事(5地域生協法人独立)
2006年:生活クラブ連合会出向、市民セクター政策機構理事長就任

澤口e-mail
生活クラブ連合会HP: http://www.seikatsuclub.coop/


澤口隆志レジュメ
協同組合の射程 市民の自治型問題解決の道具として(PDF)
市民セクター政策機構 理事長 澤口隆志